阿波グローカルネットのメンバーに、車椅子ユーザーATさんがいます。ATさんの「想い」からこの活動がはじまりました。

車椅子ユーザーにとって、行きたいお店が街に増えていくことはとても嬉しいものです。
健康な人にとっては「たかが手すり」かもしれませんが、必要な者にとっては「されど手すり」なのです。

それはもしかしたら車椅子ユーザーだけでなく、ちょっと立ち座りがしにくくなっているようなご高齢の方も安心して利用できるようになるのでは、とATさんは思いました。

そこで、「うずしお募金」で協力を得て、街のお店のバリアフリー化をすすめていけば、出かけることをあきらめていた人たちも利用できるお店が増えるのではないか、と考えたのです。

ATさんが以前にアメリカで見て体験した、大きなロート上をコインが転がっていく募金の方法を思い出しました。でも、それを日本に導入するには50万円以上必要だという事で、もっと手軽に楽しみながら募金をしてもらえるものはないかと探していたところ、ミニチュア版のくるくる貯金箱を見つけてそれを活用することにしました。

うずしお募金箱」は、コインがくるくると回っていく様子がとっても楽しい動きになっています。

これで集まった基金で、お店のスロープやトイレのバリアフリー化ができていけば、「行けなかったお店」が「行きたいお店」になって、街に出かける楽しみを増やしていきたい、という想いでいっぱいなのです。

第1号協力店 拉麺「まる福」さん

初めて「うずしお募金箱」の設置を協力していただいたのは、徳島市川内町にあるラーメン「まる福」さんです。駐車場スペースも店内も、とてもゆったりとしています。ATさんは車で行くので、車椅子で乗降するのにも助かります。

場所は、徳島県徳島市川内町大松402 です。上の看板が目印です。皆さんの暖かいご協力で、少しでも早くこのトイレに手すりが付いて、多くの人がより一層安心して美味しいラーメンを楽しみに来られるようになればうれしく思います。

チャーシューたっぷりのラーメンがとてもインパクトがありますね。店内はとても広く、席が区切られており、家族連れでもゆったりと食事を楽しむことができます。子供用に椅子や食器の貸し出しもあります

特にトイレが広いのは車椅子ユーザーにとって店選びの際には重要なことです。ここ「まる福」さんにはトイレブースが2か所あって、車椅子でも回転しやすい広さです。その上に、手すりがあるともっと多くの人にとって使いやすくなるのではないか、と思って「うずしお募金」で後付けの手すりを提案したのです。

店主さんからは快く賛同してくれて「うずしお募金箱」は食券販売機の隣に設置してくれました。お多福さんの隣です。

いろいろな手すり

車椅子ユーザーやオストメイト、乳幼児連れの親子など、多様な人にとって利用しやすいトイレ、となるととても広い場所が必要となります。
画像は、鳴門市の公民館にあるトイレです。ゆったりとしていて、手すりは壁側と反対側には可動式の手すりが跳ね上がっている状態が移っていますね。

このような手すりがあると、車椅子ユーザーでも介助無しでひとりで利用できる人もいるのです。

なかなか、このような広いスペースを一般のお店で確保することはなかなか難しいことだと思います。

次は、高知県のひろめ市場にあるトイレです。

こちらにも壁側にはL型てすり、反対側には可動式手すりがついています。よく見ると可動式手すりは最初からつけていたのではなくて、後から付けたようです。

多くの観光客が訪れる店舗のトイレでは、いろんな配慮が加えられて変化していっています。

トイレの手すりには、工事を必要とせずに後から簡単に取り付けができるものもあるんです。

このような手すりなら、スペースが広くなくても、壁が近くになくても取付ができれば便利になります。
便器の形によって、取付ができるかどうかの下調べは必要ですが・・・
足腰が弱くなって立ち上がりがつらい高齢者の方にも使っていただけると思います。

健康な人にとっては、お店のトイレの手すりなどあってもなくても関係ないと思われますが、中にはこのちょっとした手すりがあることで安心してトイレや利用できて、「あーまたこの店に来てみよう」と思えるのです。

もちろん人によって使える手すりの形状や位置が違いますが、設計の段階から、より多くの人が安心して利用できるユニバーサルデザインのお店が街に増えてくれるように願っています。